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Generate 3 User Manual 非公式日本語版

このページは Joranalogue Audio Design Generate 3 User Manual(2023-09-12版) の内容を、元の章立てに沿って日本語化した非公式マニュアルです。

あらゆる信号は、周波数、位相、振幅、音色という少数のパラメーターで表せます。シンセシストは、これらを変調して電子音を作ります。Generate 3では、幅12 HPの1台のモジュール内で信号を生成し、その全パラメーターをスルーゼロ変調で制御できます。

中心となるのは、高精度な三角波コアのVCO(Voltage Controlled Oscillator)です。スルーゼロ・リニアFMでは、オシレーターが「負の周波数」領域で逆向きに進むことができ、深く豊かでありながらピッチの安定したFM音色を作れます。

コアから得た三角波はスルーゼロ位相変調器で処理され、合計900°の位相シフト範囲を持ちます。位相変調では発振周波数そのものを変えずに、FMに似た深い音色変化を作れます。

信号の音色は倍音構成によって決まります。Generate 3のハーモニクスジェネレーターは、倍音を次の3つの音色チャンネルへ分離します。

  • Fundamental(基音)
  • Even(偶数倍音)
  • Odd(奇数倍音)

3チャンネルの相対振幅を調整することで、サイン波、ノコギリ波、矩形波を含む多様な波形を作れます。各チャンネルは手動レベル調整に加えて、バランス変調/リング変調とも呼ばれるスルーゼロ振幅変調に対応します。オーディオレートの変調信号を加えると各倍音が分裂し、スペクトルが豊かになります。

一般的なアナログシンセシスに加え、豊富な変調機能を持つGenerate 3はマルチフォニック・シンセシスの探求にも適しています。これは、喉歌のように単音源から複雑な音色を電子的に生み出す手法です。

Generate 3の箱には、次のものが入っています。

  • シリアル番号と製造バッチを記載した製品カード
  • 16ピン - 10ピン Eurorack電源ケーブル
  • 取付金具:黒色M3 x 6 mm六角穴付きねじ2本、黒色ナイロンワッシャー2枚、六角レンチ
  • 保護用コットンバッグに入ったGenerate 3本体

不足がある場合は、購入店または [email protected] へ連絡してください。

Generate 3の信号経路。三角波コアVCO、位相変調器、倍音波形整形、バランス変調を経てFundamental、Even、Oddへ分岐する

三角波コアVCOの信号は位相変調器と倍音波形整形を通り、Fundamental/Even/Oddの3チャンネルに分かれて、それぞれバランス変調されます。

Generate 3のフロントパネルと操作子番号

以下の番号は、このフロントパネル図に対応します。

Generate 3の動作レンジを、低周波(VCLFO)またはオーディオ周波数(VCO)から選びます。

発振周波数を決めるノブです。オーディオレンジでFineノブを中央、スルーゼロFMを既定設定にすると、Fundamental出力におけるCoarseノブの範囲は 22 Hz〜22 kHz です。Fineノブの範囲はCoarse設定値の5 %、オーディオレンジでは6半音です。

低周波レンジの全範囲は 2.8 mHz(周期約6分)〜180 Hz です。両方のノブを中央にすると1 Hzになります。

3. スルーゼロFM入力、ノブ、AC/Biasスイッチ

Section titled “3. スルーゼロFM入力、ノブ、AC/Biasスイッチ”

内部のスルーゼロFM電圧がVCOコアを直接制御し、指数周波数変調の全体的なレンジを決めます。前述の低周波/オーディオレンジは、スルーゼロFM電圧が+5 Vの場合です。

この電圧を上下させると周波数も対応して変化します。通常のリニアFMと異なり負電圧も使用でき、オシレーターの進行方向を反転させられます。これにより、非常に深く劇的なFM音色を作れます。

0 VではVCOが停止します。ただしスルーゼロFM端子には+5 Vがノーマライズされているため、通常の発振に外部電圧は不要です。既定設定は次のとおりです。

  • スルーゼロFMノブ:最大
  • Biasスイッチ:OFF(上)
  • ACスイッチ:OFF(上)

この状態で、選択中のLow/Audioレンジ内を発振します。

ノブを下げると、ゼロ点を越えて負領域までリニアにデチューンできます。外部スルーゼロFM信号を接続した場合は、ノブが変調量を調整します。

BiasスイッチをON(下)にすると、変調へ+5 Vのオフセットが加わります。これにより、スルーゼロFM(Bias OFF)と通常のリニアFM(Bias ON)を簡単に切り替えられます。外部変調のない既定設定でBiasをONにすると、周波数が2倍、つまり1オクターブ上がります。

ACスイッチをON(下)にすると、リニアFM入力がACカップリングされます。変調信号に含まれるDCオフセットや極低周波成分を除去し、オーディオレート変調時の基音ピッチ移動を抑えます。この設定では、端子にノーマライズされた+5 Vも除去される点に注意してください。

標準的な 1 V/oct 応答で周波数を指数変調し、正確な音程を作る入力です。Lowレンジでは感度が約 0.66 V/oct に上がります。

2つ目の指数FM入力です。中央を0とするポラライザーノブで変調量を設定します。Audioレンジでは最大が+1 V/oct、最小が-1 V/octです。Lowレンジでは感度が約0.66 V/octに上がります。

スルーゼロFMと指数FMに加えて、2種類のオシレーター同期を利用できます。

  • Reset(ハードシンク):立ち上がりエッジを受けるとVCO出力電圧が瞬時に0 Vへ移動し、その後は以前と同じ向きで発振を再開
  • Flip(ソフトシンク):立ち上がりエッジを受けると三角波の進行方向(上昇/下降)だけを反転

ResetとFlipを受けた三角波の変化

Resetは瞬時のリセットによる急峻なエッジが高い倍音を生むため、より「ハード」な音になります。Flipにはそのようなエッジがなく、より「ソフト」な音です。両方を自由に組み合わせることができ、すべての出力へ影響します。

位相変調器は、3つの音色チャンネルの位相を広い範囲で移動します。位相は0°基準より先行も遅延もできるため、これもスルーゼロ変調です。

Phase入力が未接続なら、ノブで位相を手動調整します。変調信号を接続するとノブはバイポーラアッテネーターになります。感度は 90°/V、最大位相オフセットは ±450° です。

位相は相対的なパラメーターなので、静止した位相設定同士に聴感上の差はありません。しかし位相が時間とともに連続変化すると、コアの発振周波数が一定でもピッチ変化として知覚されます。このためPMは「FMサウンド」を作る別の方法になります。Generate 3では、FMとPMを同時に使用できます。

位相をずらすと音色チャンネルの波形開始点がVCOコア基準から離れるため、同期入力が音色チャンネルへ与える効果も変化します。

Fundamental、Even、Oddの各音色チャンネルのレベルと極性を制御します。ノブはバイポーラで、最大位置では10 Vpp、中央では0、最小位置では極性反転した10 Vppになります。

対応するCV端子へケーブルを接続すると、ノブは変調信号のバイポーラアッテネーターとして機能します。レベル制御には一般的なVCAではなくバランス変調器を使っているため、バランス変調/リング変調とも呼ばれるスルーゼロ振幅変調が可能です。

VCOコアから直接取り出した 10 Vppの三角波 出力です。位相変調器の影響を受けません。Fundamental出力の半分の周波数、つまり1オクターブ下なので、サブオクターブ信号としても使えます。

出力端子のLEDはリアルタイムの出力電圧を示し、正電圧で赤、負電圧で青に点灯します。

各音色チャンネルを個別に出力します。

  • Fundamental:可能な限り倍音を抑えたサイン波
  • Even:Fundamentalの2倍の周波数を持つノコギリ波。基音に対する偶数倍音(第2、第4、第6…)だけを含み、高次になるほど弱くなる
  • Odd:基音そのものを除く奇数倍音(第3、第5、第7…)だけを含み、高次になるほど弱くなる

3つの音色チャンネルをミックスし、すべての倍音を含むフルスペクトル信号として出力します。

Generate 3のFull出力に含まれる倍音スペクトルの模式図

モジュールのピッチトラッキングを校正するトリムポットです。フロントパネルから操作できるため、システムからモジュールを取り外さず校正できます。各モジュールは製造時に個別校正されています。必要がなければ調整しないでください。

校正が必要な場合は、次の手順に従います。

  1. RangeスイッチをAudioにする
  2. Coarseノブを全範囲の約20 %(9時方向)にする
  3. Fineノブを中央にする
  4. スルーゼロFMノブを最大にする
  5. 安定した室温で20分以上、Generate 3の電源を入れておく
  6. Fundamental出力を校正済みデジタルチューナーへ接続する
  7. V/oct入力を、0 Vと高精度な+5 Vの間で自動または手動で繰り返し切り替える。ほかの入力は未接続にする
  8. 専用トリミングツールまたは標準的な2.5 mmマイナスドライバーで、2状態の音程差が正確に5オクターブになるよう調整する

たとえば0 VがC1 + 23 centなら、+5 VではC6 + 23 centになるようにします。

Generate 3は複雑な波形だけでなく、減算合成で使われるサイン波、三角波、矩形波、ノコギリ波も作れます。

  • サイン波:Fundamental出力を使用
  • 三角波:Core出力を使用
  • 10 Vppの矩形波をFull出力で作る:Fundamental Levelを100 %(時計回り最大)、Even Levelを0(中央)、Odd Levelを80 %(約4時方向)
  • Fundamental周波数の10 Vppノコギリ波をFull出力で作る:Fundamental Levelを50 %、Even/Odd Levelを40 %

Even出力単体は、Fundamentalの2倍の周波数を持つノコギリ波です。

ホワイトノイズジェネレーター

Section titled “ホワイトノイズジェネレーター”

Generate 3はクリーンで安定した波形を作るよう設計されていますが、出力を入力へ戻すフィードバックパッチで回路を限界以上に駆動すると、複雑で不安定な音も作れます。

ホワイトノイズを作るには、Even出力をPhase入力へ接続し、すべてのノブを最大にします。Fundamental出力から10 Vppのノイズ信号が得られます。Frequencyを変えるとノイズの質感を「チューニング」できます。

各出力波形の周波数には整数比の関係があります。FundamentalはCoreの2倍、EvenはFundamentalの2倍です。Lowレンジでは、この関係を比率リズムとして使えます。Coreの1周期を1小節とみなすと、Fundamentalの1周期は2分音符、Evenの1周期は4分音符に相当します。

各出力でエンベロープやドラム音源などを駆動します。接続先によっては、先にコンパレーターへ通す必要があります。

Phaseを変えると、2分音符/4分音符の開始位置を移動できます。Reset入力を使えば外部テンポクロックへ正確に同期できます。Full出力の可変波形から、さらに複雑なリズムを作れます。

Fundamental、Even、Oddの各チャンネルへ個別のディケイエンベロープを接続し、すべてをシーケンサーから同時にトリガーします。シーケンサーのV/oct出力でGenerate 3のピッチを制御します。

各エンベロープのディケイ時間を変えると、音色成分が異なる速さで減衰し、Full出力ではさまざまなフィルタースイープに似た変化を作れます。

項目仕様
モジュール形式Doepfer A-100「Eurorack」互換
サイズ3 U、12 HP、奥行30 mm(電源ケーブルを含む)
フロントパネル2 mm切削アルミニウム、消えない印刷
最大消費電流+12 V:130 mA、-12 V:115 mA
電源保護逆極性保護(MOSFET)
入力インピーダンス全入力100 kΩ
出力インピーダンス全出力0 Ω(補償済み)
外形寸法(H x W x D)128.5 x 60.6 x 43 mm
本体質量175 g
梱包・付属品を含む質量250 g

正常に動作しない場合は、まずEurorack電源とすべての接続を確認してください。問題が続く場合は、購入店または [email protected] へ連絡します。その際は、製品カードまたはモジュール背面に記載されたシリアル番号を伝えてください。

原文:Generate 3 User Manual version 2023-09-12
Joranalogue Audio Design - 21st Century Analogue Synthesis - Made in Belgium