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Mimeophon Manual 非公式日本語版

このページは Make Noise soundhack Mimeophon Manual(mp86変更履歴収録版) を、元の章立てに沿って日本語化した非公式マニュアルです。

購入日から1年間、材料または製造上の欠陥が保証されます。購入証明が必要です。誤った電源電圧、Eurorack Bus Board Cableの逆接続、不適切な取扱い、ノブやFaceplateの取り外しなど、利用者側に原因がある故障は保証対象外です。

問い合わせやReturn To Manufacturer Authorizationについては [email protected] へ連絡してください。

Mimeophonは、安定化された +12 V DCを100 mA、-12 V DCを10 mA 使用する16 HPのEurorack Moduleです。

  1. Eurorack Caseに16 HPの空きを確保
  2. Module背面のCable接続を確認
  3. Cableの赤線をModuleとBus Board双方の -12 V 側へ合わせる
  4. Make Noise 6U/3U Bus Boardでは、白線が-12 Vを示す

Mimeophon背面で電源ケーブルの赤線を-12 Vへ合わせる向き

Case側の-12 V位置は、使用中のCaseメーカーの仕様書で確認してください。

Mimeophonは、Make NoiseとsoundhackによるStereo Multi-Zone Color Audio Repeaterです。DSPはTom Erbeが実装しました。

名称はギリシャ語のmimeo(繰り返す/複製する)とphon(音)に由来します。19世紀末にThomas Edisonが発明したMimeographや、20世紀のXerox/Copy Artのような反復的構成を音の領域へ持ち込みます。Micro SoundからNote、Phrase長までRepeat時間を変形しながら、音色とStereo空間を変化させられます。

主な機能:

  • 完全なStereo入出力
  • Karplus、Flange、Chorus、Echo、Loopingを連続的にMorphする色分けされたModeless Algorithm
  • Zone内のRepeat周波数を連続制御するRate
  • 左右を異なるRateへ広げるSkew
  • Doppler Modulation専用のμRate
  • DopplerなしでRateを切り替えるTempo Sync
  • 1回からInfiniteを超えるFeedbackまで制御するRepeats
  • RepeatをStereo空間へ滲ませるHalo
  • Feedbackのエネルギーを音色方向へ集中させるColor
  • SkewされたTempoをPulseとして返すRate Out
  • Repeatを逆向きにするFlip
  • Infinite Loopを非破壊で操作するHold
  • Time、Space、Colorの全Voltage Control

Mimeophon上段、左側、右側の操作子番号1〜16

番号操作子機能
1L(Mono)Input左入力。標準的なModular Levelは10 Vpp
2R Input右入力。未接続時はL InputをNormal接続
3Mix Combo PotCV未接続時はLive SignalとRepeatの比率。CV接続時はAttenuator
4Mix CV Input0〜8 V。8 VにNormal接続
5/6L/R Output左右出力。標準的なModular Levelは10 Vpp
7RepeatsRepeat回数を1〜∞で設定。Hold中はRepeat開始点を設定
8Repeats CV0〜5 V DC
9Halo CV0〜5 V DC
10HaloHalo量を設定
11ZoneZoneを選択。現在のZoneはZone Windowの色で表示
12Zone CV AttenuverterZone CVのBipolar Attenuverter
13Zone CV Input0〜5 V DCでZoneを選択
14ColorRepeatの音色を調整。約3時がUnityで最も無着色に近い
15Color CV AttenuverterColor CVのBipolar Attenuverter
16Color CV Input0〜5 V DC

Mimeophon中央と下段の操作子番号1〜12

番号操作子機能
1Rate現在のZone内でRepeat周波数を設定。Skew中は左右を逆方向へ変化
2Rate CV AttenuverterRate CVのBipolar Attenuverter
3Rate CV Input0〜5 V DC
4μRate InputAttenuatorなしのDoppler Modulation入力。±3 V、Unity Gain。Zone 0では1 V/oct
5Hold Input2.5 V以上のGateでHoldを切り替え
6Hold Button/LEDRepeatを無期限かつ非破壊で保持
7Flip Input2.5 V以上のGateでFlipを切り替え
8Flip Button/LEDRepeatを逆再生。Zone 0ではTotal Protonic Reversal Distortion
9Tempo Input2.5 V以上のClockでRateをTempoの分周/倍周へ同期
10Rate Output左右RateのORを0/8 V DC Triggerとして出力
11Zone Window選択Zoneを色で表示。Ping Pong/Swap中は点滅
12Skew Button/LED短押しでSkew、長押しでPing PongまたはSwap

MimeophonのStereo Left/Right入力と出力

  • Stereo → Stereo:左右信号をL/R Inputへ、L/R Outputを監視
  • Mono → Stereo:L(Mono)Inputだけを使い、L/R Outputを監視。Skew、Halo、Ping PongでStereo Imageを作る
  • Mono → Mono:L InputとL Outputを使用
  • Dual Mono:左右へ別信号を入れ、Skewで独立Rateを設定。ただしHalo/Ping Pongは反対側Outputへ一部Repeatを送る

Mixは入力信号とRepeatのBalanceを設定します。Mix CVへ接続すると、Mix KnobはCVのAttenuatorになります。

Zone 0〜7を示す8色のZone Window

ZoneはRepeat Sizeの大きな時間領域を選びます。Zoneを切り替えてもDoppler/Pitch Shiftを起こさず、2 ms未満のMicro Soundから最大約41秒のPhraseまで即座に移動できます。

  • Zone 0〜1:Stutter、Phasing、Flange、多次元Distortion、Karplus-Strong
  • Zone 2〜4:一般的なDelay/Echo
  • Zone 5〜7:Looped Phrase、時間とともに変化するLayered Sound

各Zoneは短いZoneを内包しています。入力音は常に全Zoneへ書き込まれるため、小さいZoneから大きいZoneへ移動すると数秒〜数分前の音が現れます。小さいZoneで作ったRepeatも大きいZoneへ記録されます。

短いZoneが長いZoneへ入れ子状に含まれる関係

ZoneRepeat時間
01.3〜20.4 ms
120.4〜81.6 ms
281.6〜326.5 ms
3163.3〜653.1 ms
4326.5 ms〜1.306 s
5653.1 ms〜2.612 s
61.306〜5.225 s
72.612〜41.796 s

Zone 2〜7は隣接Zoneと50 %重なり、各ZoneのRateは隣接Zoneに対して正確に2倍、4倍、または8倍になります。この関係によりZoneを変えても、重なったEchoは時間的な関係を維持します。

Repeat周波数と長さを設定するRate操作子

Rateは選択Zone内でRepeat Sizeを連続的に変えます。Repeatsが0より大きい状態でRateを動かすと、複製された音へPitchの痕跡を残すDoppler Effectが生じます。Tempo Clock中はSlewなしのCrossfadeで分周/倍周を瞬時に切り替え、Dopplerを避けます。

Skewを短押しすると、Rateが左右で逆方向に変化します。一方のRepeatが速くなると他方は遅くなり、RepeatsとHaloを組み合わせて複雑なStereo Imageを作ります。

Skewをもう一度短押ししてOFFにすると、その瞬間の左右差を保持したままRateが左右を一緒に動かします。Rateを変調していない状態でSkewをON→OFFすると左右差を消し、同期できます。Zone 0〜1では片側がKnob最小位置より先に最小Rateへ達する場合があります。

  • 左右がSkewされていない状態でSkewを長押し:Ping Pong。左右入力をMonoへ合算し、Repeatが左右を交互移動。Zone Windowが点滅
  • 左右がSkewされた状態でSkewを長押し:Swap。左右Feedback Pathを交換し、Phase ShiftしたStereo Repeat Patternを生成。Rate LEDは左右Repeatに合わせ不規則に点滅
  • 解除:Skewを短押し

Doppler Modulation専用のμRate入力

μRateは全Zoneで同じ短い範囲を維持する連続的なDoppler Modulation入力です。Tempoが接続されRateがDopplerなしで切り替わる状態でも、Chorus、Vibrato、Flangeを加えられます。

  • Zone 1〜7:Linear Response。Skewの影響を受ける
  • Zone 0:1 V/octのExponential Response。Karplus-StrongのPitch制御に有効で、Skewの影響を受けない

Repeatのスペクトル特性を変えるColor操作子

ColorはRepeatの音色を、暗いOil-Can Echo、暖かいBBD、中域の粗いBBD、Tape Echo、Clean Delay、薄く鋭い初期Digital Delayのような範囲で変化させます。約3時が最も無着色に近い位置です。

RepeatをStereo空間へ滲ませるHalo操作子

Haloは印刷でInkが文字の端から滲む「Halo Effect」のように、Repeatの縁へ余分な音を広げ、Stereoの奥行きと空間を加えます。最大へ近づくほどHaloは広く密になり、RepeatsとともにFeedback Pathへ注入されます。ColorはHaloの音色にも影響します。

Repeats、Color、Haloは内部の複雑なFeedback Networkを通じて常に相互作用します。

外部Clockを受けるTempo入力

Tempo InputへClockを入れると、RateとZoneで選んだ分周/倍周へRepeatを同期します。入力範囲は 0.25〜50 Hz、つまり4秒に1拍から3000 BPMです。

Clockを読み取ると、最適なZoneのRate約12時30分へ1/1を配置します。別Zoneへ移動すると2の累乗で分周/倍周します。

Tempo同期時にRateで選べる倍周と分周

Rateを反時計回りから時計回りへ動かしたときの値:

x2x1 3/4x1 2/3x1 1/2x1 1/3x1 1/41/1/1 1/4/1 1/3/1 1/2/1 2/3/1 3/4/2

Skew中は左右で2つの分周/倍周を同時に鳴らせます。Ping PongではRepeatごとに左右を交換します。RateとZoneを変調すれば、単純な素材から複雑に噛み合うRhythmを生成できます。

数秒間Clockが来なくなっても、Rateを動かすまでは同期を維持します。このためGateを2回TapしてTempoを設定する使い方もできます。

現在の左右RateをORしたTriggerを出力するRate Output

Rate Outputは現在のRateをClock Pulseとして出力します。Skew中は左右RateのPulseをORし、外部Clock中はMimeophonを特殊なDual Clock Divider/Multiplierとして使えます。

Zone 0やZone 1の一部ではRateが速すぎるため、Rate Outputが常時Highになります。

Hold Gate入力とHoldボタン

HoldはRepeatの更新を一時停止します。Feedback Pathへ新しい音が出入りしなくなり、現在のRepeatを無期限かつ非破壊で保持します。

Hold中もZone、Rate、Color、Haloなどはすべて操作可能で、どれだけ変形しても元のRepeatへ戻せます。Repeat量は意味を持たなくなるため、Repeats Knobは現在Zone内のRepeat開始点を設定します。

Hold中にRepeat開始点を設定するRepeats操作子

Flip Gate入力とFlipボタン

FlipはZoneのRepeatを逆向きにします。

  • 中〜大Zone:入力音またはHold中の音を逆再生
  • Zone 0〜1:Audio Bufferを約70 Sampleごとに反転するTotal Protonic Reversal Distortion。Color、Halo、Repeatsで整形可能
  • 小ZoneのFlip InputをAudio Rateで変調すると特徴的な音色を生成

Flip中のRate Modulationは通常と同じDoppler Shiftにならない場合があります。

  • Zone 6〜7は非常に長く、小Zoneでの操作が数分後まで残ることがあります。小Zoneで演奏したあとHoldし、変調を外してZone 7へ移動し、Repeatsで長い記録の位置を探索できます。Skewで左右の観測位置を漂わせることもできます。
  • Zone 0の操作を大ZoneへModulationすればEchoとして保存できます。Synth Sequenceと関連するClockでZoneをSequenceすると、Note/Beatごとに異なるRepeat StyleのRhythmic Latticeを作れます。
  • Color Modulationは累積するため、Zone/Rateに対するModulation速度で時間的効果が変わります。
  • Impulse、Noise Burst、Drone OscillatorはZone 0の優れた入力素材です。
  • μRateをSequenceしながらZone 0/1をFlipすると、Sequenceが1 Octave下がりHarmonic Structureも変化します。
  • Zone 1〜7でSkew中は右ChannelのμRate Responseが反転します。10 Hz以下の小振幅LFOから試すとStereo Chorusを作れます。
  • Zone 0のRepeatは入力LevelでExcite/Dampできます。Transient Shapingにより表情豊かなKarplus系Soundを作れます。
  • Skew時のRate Outputは左右PulseのORとなり、外部Clock時にDual Divider/Multiplierとして利用できます。

Zone 4または5、Color 3時、Mix 11時、Repeats 12時に設定します。Sequence ClockをTempoへMultし、RateでRhythmを調整します。SkewをONにしてTempo同期Stereo Repeatを作ります。

Tempoは未接続。Zone 3〜5で入力音のTempoへRateを手動で合わせ、Repeats 12時、Halo 12時、Color最大にします。ときどきRepeatsを最大へ上げ、ゆっくり戻してDub Washを作ります。

Zone 0からZoneをSequenceし、別Sequenceで音源を駆動します。Step/BeatごとにEcho、Flange、Karplusなどが切り替わります。Repeatsを上げると小Zoneの痕跡が大Zoneへ残り、Rhythmic Latticeになります。Stepped Random VoltageもZone CVに適しています。

Triggered MATHS Function(Rise最小、Fall 10〜12時、Response 2時)をL Inputへ接続します。Zone 0、Rate最大、Repeats 1時、Halo最小、Mix 1時、Color 12時。Pitch CVをμRateへ入れ、RepeatsでDecayを設定します。Color/Haloで音色、RateでSequence PitchのStart Pointを調整します。

Rate Pulse OutをFlip Inへ接続。Zone 3〜5、Mix 12時、Repeats 9時、Hold OFF。Rate、Skew、Color、Haloを調整するとRepeatが自動的に前後します。System ClockをTempoへ入れると厳密に同期します。

複数波形出力を持つVCOを使い、処理するVoiceと同じVCOのTriangle/SineをμRateへ接続します。Zone 1〜5、Mix 12時、Color 3時、Repeats 10時、Rate 12時、Flip/Hold OFF。Repeatsを上げるとOctave Up Harmonicsが増えます。VCOのSub出力はOctave Down Harmonicsに使えます。

OctaviochoをZone 4〜5で組み、Melodic SequenceのSystem ClockをTempoへ接続します。FlipをONにします。

Color 3時、Repeats 12時以上、Mix 1時。10 Hz以下のBipolar Triangle/Sine LFOをAttenuatorで小さくし、μRateへ接続してSkewをON。Zone 0〜1でRepeatsを上げるとResonance/Shimmerが増えます。Zone 1〜2ではFlangeになります。

Mix最大、Repeats/Rate最小、Zone 0。明確なRepeatなしでColorをCharacter Filter、HaloをAir生成として使えます。FlipでInput由来のHarmonic/Subharmonicを生成し、Repeatsを上げるとTailが加わります。

Zone 4、Repeats最小、Mix最大、Flip ON、Skew OFF。Vocalを入力し、Rateを平均的なSyllableの流れへ合わせます。Cadence、Rhythm、Melodyを保ちながら逆再生します。

入力なし、Mix最大。Zone 0、Halo 0、Color 12時、Repeats最大でFeedback Washを作ります。ColorへWoggle CV、Zone/RateへAttenuateしたStepped Random CVを入れます。任意でRepeatsをLFO変調し、Rate OutをTempo Inへ戻すとDoppler Shiftを抑えられます。

入力信号が特に小さい/大きい場合、MimeophonのInput Gainを変更できます。既定のUnityは通常のModular Levelに適しています。

  1. Mixを完全Dry(反時計回り)にする
  2. 入力信号をMonitorする
  3. FlipとHoldを同時に押し続ける
  4. 4設定を順番に切り替え、Zone Windowの色で確認
  5. 両Buttonを離して確定/終了

Zone Windowの色で示すInput Gain -3 dB、Unity、+3 dB、+6 dB

Zone WindowGain
-3 dB
0 dB/Unity
Orange+3 dB
+6 dB
  • MixとRepeatsを完全反時計回りへ設定すると全ZoneをClear
  • Serial Number 1000以降は更新不要
  • 起動時のmp70 Zone Color:Light Pink/Red
  • 電源OFF後もInput Gain設定を保存
  • Serial Number 6339以降は更新不要
  • 起動時のmp82 Zone Color:Teal/Teal
  • 過去の変更をすべて含み、ModuleのNoise Floorを低減
  • Serial Number 9256以降は更新不要
  • 起動時のmp86 Zone Color:Teal/Red
  • FirmwareはMake Noise Firmwareページから入手

原文:Make Noise soundhack Mimeophon Manual - mp86 Release Notes収録版